メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッドの外科用切断器具(特表2018-511426)を読む

2022年9月9日

本発明は、切断窓の回転を容易にするようになされている外科用切断器具に関する。

【発明の背景および解決しようとする課題】
細長い内側部材が、細長い外側管状部材の内部で回転する外科用切断器具が、手術部位へのアクセスが狭い入口または通路で使われるようになってきた。通常、内側部材はハブに固定されており、このハブが内側部材を外側部材に対して回転させる動力付きハンドピースに取り付けられている。切断窓は、内側部材の切断先端部にある。内側部材は、切断、切除された組織が吸引されるように、管状であることが多い。
この外科用切断器具の使用の際、一般に、切断窓および切断先端部を標的部位に送達すること、切断先端部が「露出される」ように切断窓を位置決めする必要がある。このため、従来の外科用切断器具では、内側部材および切断先端部がハンドピースに対して回転可能であるが、外側部材および切断窓は回転可能ではない。切断窓の回転位置または空間位置が固定されているため、結果として、切断先端部を露出させるように切断窓を空間的に位置決めするために、外科医はハンドピースを物理的に移動させるか、回転させなければならない。このことで、外科医の手に負担をかけたり、手技を一時的に休止したり、患者の身体位置を移動したりする必要が出てくる。
特に、画像誘導手術(IGS)と併せて使用された場合、標的部位へ器具を展開する際に、切断窓および切断先端部を位置合わせする必要がある。手術中に空間配向を変更する場合、外科医は一般に患者から器具を取り出し、IGSと再び位置合わせしなければならず、外科手術の延長につながる。
標的部位において切断窓の回転配向を容易にかつ都合よく変更することができない。ユーザの可視性への影響を最小限に抑えて、ハンドピース操作に対する切断窓の回転を達成することができる外科用切断器具が必要である。

【解決手段】
本方法は、切断窓および切断先端部を標的組織において位置決めするステップと、切断先端部を回転させて、第1の領域内で標的組織を選択的に切断するステップと、切断先端部を標的組織に維持するステップと、配向ハブを回転させて、切断窓を選択的に再位置決めし、切断先端部を露出させて、第2の領域内で標的組織を切断するステップとをさらに含む。
従来だと、切断先端部は回転可能であるが、切断窓は回転不可能であった。切断先端部を露出させるために、配向ハブを回転させることで、切断窓が回転可能になる。切断窓が回転することで、器具を患者の体内から取り出さなくても再位置決めすることが容易になる。外科医が不必要に手をねじることなく切断窓を再位置決めし、切断先端部を露出させて、標的組織を切断することができる。